↑ 2014年に確認された異色のマーキング。黒に近いダークブルーで尾翼を塗り込めたマーキングで、シアトルのボーイング工場などで撮影されている。尾翼下のビューアルナンバーはどの写真を見てもなくナンバーは残念ながら不明。F/A-18D  BU.No.Unknown

2014年から2016年に掛けて、VMFAT-101が派遣された訓練先空母名や当時のスタッフ名をラインナップしたプレート(from US Net) ⇒

VMFAT-101
FA-18A/Bに転換したVMFAT-101は、1988年には25機のホーネットとFA-18のインストラクター25名で本格的な教育訓練を開始している。1978年11月F-18のプロトタイプ1号機が、ミズーリ州セントルイスで初飛行をして10年目にあたる年である。ちなみに1978年11月は、その後の海兵隊にとって重要なもう一つの戦術機となるAV-8Bのプロトタイプも進空している。翌年には、23名の資格取得者を実戦部隊に送り出し1990年までに150名のホーネットライダーを育て上げた。1990年1月に複座のFA-18Dの最初の2機を受領、A-6E攻撃機からの転換パイロットの教育も開始している。 
↑2013年頃に再び出現したオールドマーキングの再現版、今回は、F/A-18Cに書かれModexなどが、グリーン色で統一されている。但しMARINE表記だけが赤色と言うのがポイント。あまり写真が残っていないが空母などでの離発艦訓練にも使われていたようである。F/A-18C   BU.No.164693
↑2018年に出現した2種のカラーバードの一つで、インシグニアにあるダイヤモンドをふんだんに機体に書き込み、上半身はグリーンで統一した。スターウォーズキャニオンなどでもフライトした写真がUPされ注目度が高いマーキングである。主翼、水平尾翼の前縁も緑のラインで塗られている。F/A-18C Bu.No.164045

下に紹介するイラストは、2012年にVMFAT-101のF/A-18B2機に施されたスペシャルマーキング3種である。2000年以降イラク及びアフガニスタンで活躍して,、戦功のあった4名の海軍・海兵隊員に名誉勲章が授与されているが、それを機体に描いて式典で披露したものである。
 名誉勲章は、アメリカ軍最高位の勲章で現在までに3400余人が授与されているが 第二次大戦以降の受章者は、その60%が戦死した後に受章されている。今回 機体に描かれた4名の受章者も、内3名は戦死された方である。

↑ 2007年に確認されたSH-2001990年代末に塗装されたカラーマーキング「SHOOTER-01」のF/A-18Cを踏襲した塗装だが、一段と鮮やかなカラーリングをされ再登場。インシグニアに基づきshootersの「S」が赤い。F/A-18C  Bu.No.163480
↑2004年頃からVMFAT-101に出現した迷彩塗装機は、若いパイロットに対し敵と味方の機体が見分けが着き易いように、スプリッター迷彩(折れ線模様)と大き赤い星、そして機首のナンバーが大きく書き込まれた。グリーン系のSH-26、砂漠迷彩のSH-12、そしてグレー系のSH-34などが確認されている。ロシアの戦闘機迷彩を意識して塗られたとされる。SH-34は、F/A-18C  BU.No.は、不明。
* 以下に VMFAT-101の多くの塗装例を年代ごとに並べてみよう。ショーバードだけでも実に多彩なマーキングが存在していた。
↑2018年のもう一方のマーキングがこれだ。F-4N時代ののオールドマーキングの踏襲であるが、色は暗い緑で統一され落ち着いた雰囲気である。機首左手の点検パネルと増装タンクにもインシグニアが入っている。スピードブレーキにはファントム君が書かれている。F/A-18C  BU.No.163772
↑ 2014年に現れたダークグレーとダークブラウンをオーバーラルスプレーした迷彩で、空軍野アグレッサーF-16にもほぼ同じ配色の機体がある事から、ロシアのSu-33などの塗装を意識した迷彩と思われる。同時期にブラウン系濃淡迷彩も現れておりVMFAT-101は、多彩なマーキングの機体が並んでいたはずである。F/A-18B  BU.No.162862
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New Insignia of VMFAT-101
↑ 恐らくセレモニーの予備機として塗装された機体ではないだろうか。VMFAT-101 SH-215 Bu.No.163115である。尾翼左には、海兵隊徽章。右側は海軍徽章となっている。燃料タンクには、グリーンの帯と”SHARPSHOOTERS”の文字が書かれ、インテークの注意書もグリーンである。注意書のシェブロンには縦に短いストライプが記入されている。
↑ 2012年11月2日のセレモニー本番に展示機としておかれた本命の機体がこれF/A-18B SH-222 Bu.No.162885と思われる。SH-215と異なるマーキングの違いはインテークの注意書と部分と、VMFAT-101の部隊名の位置。各マーキングに黒の縁が付いている所などである。コックピットラインに書かれた受章者名は、右手はイラクで戦死したマイケル・モンスーア海軍二等兵曹(MICHAEL A MONSOOR)とアフガニスタンで戦死したマイケル・マフィー海軍大尉(MICHAEL P MUPPY) 、機体はNAVYの文字に書き換えられた。
↑ 2011年に登場した尾翼にタコを大書きしたマーキングで、このタコのマークは第11海兵航空兵站中隊のインシグニアを使ったものである。恐らくMALS-11の創立90周年を記念したものと思われるが、異色のマーキングでファンが多い。タコは日本では食用にもなり親しまれる存在だが、欧米では嫌われ悪魔の魚「Devilfish」と呼ばれ、恐れられる存在なのだ。F/A-18C   Bu.No.163131

1969年1月3日に第3海兵航空団の乗員訓練準備グループ10として生まれたVMFAT-101は、翌2月に最初の訓練飛行を開始、1970年に殆ど雨が降らず訓練地と理想であったMCASユマへ移動した。1972年には、18300時間以上の安全飛行記録を打ち立て、海軍作戦司令部より安全賞を受賞している。2019年に部隊は、創設50周年を迎えた。右のパッチは長らく使ってきた訓練機であったF-4ファントムとFA-18ホーネットをあしらった50周年記念のものである。⇒

↑ この機体はSH-222と同じビューアルナンバーの機体なのだが、モデックスはSH-217となっており、実際にこれで何度も飛行している。機体が222に書きかえられたのか、又はその逆かは判らないが、この機体自体は後にブルーエンジェルスに移管されたとある。ちなみに左側コックピットラインは、2名の海兵隊員の名前が描かれている。機首側からジェイソン・ダナム海兵伍長(JASON L DUNAM)とダコタ・メイヤー海兵伍長(DAKOTA L MEYAR)となっている。ダコタ・メイヤーは、2000年以降海軍海兵隊での唯一の名誉勲章生存受章者である。
↑ 1988年の後半にF/A-18A/Bを受領し始めたVMFAT-101の初期のマーキングで 1991年に撮影された若干白っぽい塗装例をイラスト化したもの。尾翼のエッジが黒く塗られインシグニアがそのまま書き込まれている。F/A-18B   Bu.No162419
同じく2007年頃に出現した複座型F/A-18Dの司令官指定機SH-200、完全にF-4J ファントム時代の代表的マーキングを踏襲したもので 以降もこのマーキングはショーバードに使われてきた。2007年版の2種のSH-200は、注意書き部分がほぼ赤色で統一られ目立つマーキングだ。F/A-18D  BU.No.164049

さて、2000年以降VMFAT-101でも仮想敵機に見立てた迷彩機での訓練効果に目を付けて、何機かの機体に異なった迷彩を施すようになった。特に初期に塗装されたものは、慣れない新人訓練生にも判り易いように赤い星のマークが大きく書き込まれた特色あるマーキングとなっている。これらを幾つかご紹介しよう。↓

↑2014年頃から新しい迷彩パターンの機が登場する。ブルー系SH-214に次いで、カーキ系、グレー系の3種類があったようだ。イラストは初期のブルー系SH-214を塗直し2018年に確認されたSH-02  F/A-18D BU.No163998 ブルー系迷彩は、この他SH-04  F/A-18D Bu,No.164051などがある。
↑ この迷彩は2005年に確認されているもので、イランに売却していまだにイラン空軍が使っているF-14Aの迷彩パターンをFA-18Bに施したもの。イラン革命以降アメリカの敵対国と見なされたイランの軍用機は、常に彼らのターゲットである。F/A-18D Bu.No163104